自民党参院議員義家弘介 蟹工船ブーム 社会のせいにするな、改革するのは本人の意思

今日の中日新聞朝刊 政治総合2面
タイトル「私が正しい!」
劣悪な環境で過酷な労働を強いられる貧しい労働者を描いた小林多喜二の「蟹工船」が
ベストセラーになっている。
戦前のプロレタリア文学の代表作が再び読まれている背景に何があるのか。
自民、共産両党の議員に意見を戦わせてもらった。


自民党参院議員義家弘介


蟹工船ブームと言われている。
蟹工船の内容と、現代の若者たちの状況に、似ている部分はあるが、
蟹工船の場合、命がかかっている。今は食うには困らない。
事件のたびに格差社会が背景にあるといわれるが、非常に違和感を覚える。
必死に頑張って、底辺から這い上がろうとしている人間もたくさんいる。
すべて格差社会の罪と断じてしまうのは、非常に危険な風潮だ」


―冷戦終結後、弱い人を切り捨てている新自由主義が席巻し、頑張っても、はい上がりにくい社会になったのでは?
「そんなことは全くない。労働が苦しいなら、そうでない仕事に就くために、今手に入れられるものは何かを考えなければならない。
抜本的に改革すべきは環境よりも本人の意思。
その上で、モノやカネの支援ではなく、どんな資格を取ればいいのか、
どんな生き方をすればいいのかを示す、教育的支援が必要だ」


―非正規雇用増大は、労働規制緩和が大きな要因だ。
バブル崩壊で、未来を担う若者たちが真っ先に切られたというのは同感だ。
この世代には、社会が総掛かりで、指導も支援もする責任がある。
しかし、企業側もすぐ辞めるような人は雇わないし、技能もないのに正規雇用ができない。
一歩一歩、何が手に入れられるのかを、具体的に示してあげなければならない」


―頑張りたくても頑張れない人もいるのではないか。
「それは集団の中で指導していくしかない。苦しんでいる人間には選択肢を示さなければならない。
一番必要なことは、彼らに希望を示すことだ。
国や企業が全部悪いというだけでは、若者たちを救えない。雇用の機会よりも、いつでも学び直せるという
教育の機会を与えたい。格差是正教育再生でもある」