子どもが泣く大阪

大阪府橋下徹知事は23日、府が財政再建の一環で私学助成を削減したことなどをめぐり、府内の私立、公立の高校生グループと府庁内で意見交換した。生徒からは削減に反対の声が相次いだが、橋下知事は「私学はあなたが選んだ」「日本は自己責任が原則」と厳しい態度を貫いた。  橋下知事は冒頭から「僕も反論します」と本気モード。私立大阪高校(大阪市)に通う母子家庭の男子生徒が、中学でいじめにあったため、学力的に公立に行けなかった事情を説明すると「いいものを選べば、いい値段がかかる。条件を比較して、あなたが選んだのでは」とやり返した。  知事は「今の日本は自己責任が原則」と強調。一方で「何でもかんでも自己責任はおかしい。だから私学助成はゼロにしていない」と理解を求めた。 2008/10/23 21:47 【共同通信


私は橋下氏と同年代で、同じ時代に大阪で育ちました。
私の同級生の中には公立高校に進学できない人が何人もいました。 
公立高校に入学できる成績に達しない人、運悪く公立高校の入試に落ちて、滑り止めの私立高校に進学せざるを得ない人。
今は子供の数も減り多少は改善されているのでしょうか? それでも全員が公立高校に進学できるわけではないようです。


高校は義務教育ではないとはいえ、現実には高校を卒業してない人間にはまともな就職先はほとんどありません。 
それでいて義務教育は中学までなんです。 そういう社会を作ったのは現在の高校生の責任ではないでしょう。


確かに橋下氏を含め、一部の人間は頑張ることで上昇する人がいます。 それに対しては賞賛すべきでしょう。
ただすべての人にそれを求めることはできないのではないでしょうか。 

お前はとびきり優秀でないから、人より頑張らなかったから、親に財力がなかったから、社会の入り口にも立てずに自己責任で切り捨てる。

その先に何があるんでしょうか?
見下す相手ができて楽しい? それだけ?


橋下氏の選挙スローガンは「子どもが笑う」だったはず。 子沢山の橋下氏を信頼して投票した人も多いでしょう。 
騙されたと感じている人は多いでしょう。 道路は作るが教育予算は減らすなんて大阪府民は選挙の時点で知らされていませんでした。



橋下氏は言います。「最後のところを救うのが今の世の中。生活保護制度がちゃんとある」
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00142918.html

とのこと。 大阪府の借金を減らしても、高校へ入るまでの時点で「自己責任」でチャンスさえ与えられない「見えない借金」を
増やすことが必要なんでしょうか。