麻生さん、就職できないのは自己責任?

麻生首相、ハローワークを視察「なんかありませんかねじゃ、仕事は見つからない」

 −−求職されている若者に話を聞かれていたが。

 「北海道から出てきて、なんで出てきたといったら、友達っていう話をしてましたんで、友達といっしょに…といってましたんで、いままでやった仕事やらなにやら、ぜんぜん関係ない仕事、っていうんで、何を自分でしたいか決めないと、なんかありませんかね、っていうんじゃ、なかなか仕事は見つからないよ、と。きちんとオレはこれをやりたいとこういったの、という目的意識がきちんとないと、なかなか雇う方だってなかなか、その気になんないから、だから何がやりたいかということをきちんと、目的意識がきちんとないと、就職っていうのは難しい、という話はしました」

ひどいパフォーマンス。

家族、友人、教師、ハロワの担当者が就職のアドバイスをするなら「目的意識がきちんとないと」というのはあります。
彼らは社会を変える直接的手段がないのだから、相談者のために「目的意識をもつ」ということが最善の結果につながると思えば、そうアドバイスでしょう。


しかし「首相」がマスコミの前で行うことでしょうか?

「何がやりたいかということをきちんと、目的意識がきちんとないと、就職っていうのは難しい」というなら、まず何がやりたいかということがあり、目的意識がきちんとしていた人には、就職が出来る社会を提供していることが前提でなければなりません。

現実として、やりたいことや目的意識で誰もが就職ができる社会ではないですよね。 

就業のために目的意識を持つべきだと考え、それがハロワに来る人にできていないと考えるなら、ハロワの職員が求職者に適切なアドバイスができるように研修を行うか、アドバイザーを配置することもできるはずです。 

こんなパフォーマンスを行うということは、麻生首相のハロワの視察の目的が「就業できない人がいるのは目的意識を持っていないから! 自己責任!」という印象を与えます。 まあ、そういう印象を与えたかったというのが本音でしょう。 私が悪いんじゃない、自民の政治が悪いんじゃない、市民が悪いんだ、ということですね。